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誤解です

2011/02/05 Sat 10:37

    8のコピー
先日、近所の接骨院に行きました。
一日中パソコンの前に座りっぱなしですので、腰も肩もガチガチなのです。

そこの接骨院には、ベッドが3つ並んでいます。
僕は真ん中のベッドに案内され、いつものように寝転がると、先生が僕の腰をちょちょいっと触って、「うん、うん、ほほう、なるほど」などと勝手に頷いては、すかさず僕の腰にベルトをギシギシっと巻くと「じゃあ30分ね」と言いながら、枕元にある機械のステレオのボリュームみたいなものをキリリリリっと回し「熱かったら言ってね」とマスク越しに微笑みながらどこかに去って行きました。

その手際の良さと言ったらまるで熟練したSM荒縄師のようです。
僕はそんな先生にそのまま放置されながら、1人ボンヤリと趣味の悪い人体図など眺めていたのでした。

すると新たな患者さんがやって参りました。
一番奥のベッドにやって来たのは、今どきの男子高校生といった感じの少年でした。

少年は、隣の僕にさりげなく会釈すると、制服のブレザーをモソモソとベッドの下のカゴに押し込み、行儀良くベッドにうつ伏せになりました。
チラッと見た限りでは、実に爽やかな美少年でした。
どことなく亀梨クンに似たスッキリとした顔とそのスタイルは、ソッチの気がない僕でもうっとり見とれてしまうような好感度100%の高校生です。
しかも彼は、先生から、「30分ね」や「熱かったら言ってね」と言われる度に、先生に「はい」と丁寧な返事をします。

うん、いいぞ素直な美少年。

益々、僕の中の彼に対する好感度が上がって行きます。

0524.jpeg

極めつけは、ベッドの下のブレザーの中から聞こえて来たメール着信音です。
なんと彼は、今どき「ぴよぴよ・・・ぴよぴよ・・・」っという、実に控えめな「ひよこの泣き声」の着信音にしているではないですか!

おまえの好感度はレッドゾーンだ!

おもわず僕がそう思った瞬間、いきなり僕の鼻に強烈な異臭が飛び込んできました。

皆様ももう御存知のように、僕という人間は「ニオイ」に関しては少々うるさい男でございまして、特に「臭いニオイ」に関しては、それを完全なる「社会悪」とみなしており、なんびとであろうと、口臭、腋臭、足臭、マン臭、頭皮臭、足爪臭、ゲップ臭、は極刑をもって対処しておるのでございます。

その時、超敏感匂いフェチな僕の鼻孔をくすぐったのは、まさしく足臭でした。

足臭。
それはまさに凶器といえましょう。
その人に何があったのかは知りません。その人の足がどんな理由でどんな状況でそんなニオイを発するようになったかなど僕には知ったこっちゃありません。
どんな理由にせよ、他人に足臭を嗅がすというのは、人として最も悪質な行為であり、法治国家日本においてこのような原始的、且つ、野蛮な行為が白昼堂々と行なわれているなどお釈迦様でもびっくりなのです。

僕は、鼻歌を歌いながらスタスタと治療室を歩き回っている先生をジロッと睨みながら、

「キサマのその足臭はなんだ!プロとしての自覚に欠けているではないか!キサマの御先祖様も草葉の陰で鼻を摘んでおるわこのウツケ者!」

と激しく呪いをかけてやりました。

が、しかし、先生にそんな呪いをかけている僕のニオイアンテナは、なぜか治療室を歩き回る先生ではなく、隣のベッドに寝ている美少年に向かって「クンクンクン」っと激しく反応しております。

(まさか・・・こんな美少年に限って・・・・)

そう思いながら、一応、鼻の穴をソッと少年に向けてコッソリ検査してみますと、

「うわっ!なんだこれ!」

と、仰け反る僕。

そうです、真犯人はなんとこの美少年だったのです。
その匂いは凄まじく、彼の足からは、優にオカメ納豆3パック分の威力をムンムンと発揮しているのです。

なんとも許し難き卑劣な野郎です。
こともあろうに、なんの罪もなき先生様を犯人に仕立て上げ、おまけに僕に呪いをかけさせておきながらも、自分はのほほんと腰に電熱ベルトなんか巻きながら鼻ちょうちんです。
なんという大胆不敵な犯行なのでしょう、先進国日本において、これほどまでに臭い足を白昼堂々と他人の前に曝け出すとは、これは明らかに国家に対する挑戦とも呼べる行為ですよ国家公安委員会委員長殿!
もし僕がこのニオイによって耐えられず、こんなニオイを嗅がされ生き恥をかくくらいなら、いっそこの場で潔く舌を噛み切って死んでやる!と死のうものなら、彼はあきらかに殺人罪が適用されるのです!
たとえ被告が未成年であろうと断じて許す事はできず、依って裁判所の判断といたしましては、この極悪非道な少年の善良なる社会復帰は相当困難であると判断し、少年法を強行改正しようとも即刻極刑に処するべきが妥当であると判断致すところでしょう。

しかし・・・・
しかし、やはりその少年の寝顔はなんとも純粋でございまして・・・・
これが、肉体労働のおっさんならば、

「おっさん!足臭せぇよ!足洗って出直して来い!」

と、キツい喝を入れてやる所なのですが、しかしその天使のような少年の寝顔を見ておりますと、人権派の匂いフェチな僕としましては、彼の将来を著しく考慮してしまい、手荒な事はできないのであります・・・

過去、数々のニオイ修羅場を潜り、全国津々浦々の悪臭人たちからは「鬼のニオイ番」とさえ怖れられてきた僕ですが、しかしいよいよヤキが回ったようです。
天使のような彼をしながらも悪魔のような足臭を放つ少年をそのままソッとしておいてやろうと、なんとも優しい気持ちになった僕は、己の顔をソッと反対側に向けては彼から顔を背けました。
そうです、今まで悪臭人たちから「鬼のニオイ番」として怖れられて来た僕は、今ここで「仏のニオイ番」として生まれ変わったのです。

しかし、いくら顔を反対側に背けたとしても、既に部屋の中にどっぷりと充満している彼の足臭は、容赦なく僕の鼻孔に襲いかかって来ます。
僕は、まるで酸素呼吸する金魚のように口をパクパクさせては口呼吸しながら、なんとかこの足臭が鼻孔から脳へ侵入しないようにと必死でもがきました。

すると、ふいに待合室の方から「あら、こんにちわぁ」という、看護婦さんの声が聞こえて来ました。
瞬間、僕は心の中で、

「ざまぁみろ!」

と、叫びます。
そうです、元々性根の腐っている僕は、そもそもこの強烈な足臭を1人で嗅いでいるという所が気に入らなかったのです。
先生様も看護婦様も白いマスクを着用していますから、事実上このオカメ納豆3パック分のニオイを嗅がされているというのは僕一人だけなのです。

ソレが何よりも僕の腹の虫を暴れさせていたのです。
ですから、これが、僕と同じようにこの足臭に苦しむ人が他にもいるのなら、その怒りは多少なりとも治まるのです。
だから僕は新しい患者の登場に対し、嫌らしくもニンマリと微笑んだのです。

そうやって嫌らしいニンマリを浮かべながら、治療室のドアを薄目で見ておりますと、やってきましたよ、なんにも知らないアホが。

そのアホは女の子でした。
この寒空に、短いショートパンツから黒いニーソックスに包まれた生足をニョキッと出しています。
僕は軽く閉じていた瞼を微妙に少しだけ開きながら静かに彼女の顔を見ました。

そして見て驚きました。
なんと彼女は、

物凄く可愛いのです!

恐らく近所のキャバクラの娘でしょう、この接骨院は場所柄、水商売やヤクザがやたらと多いのです。

パキン!と大きな目と、手の平で鷲掴みできそうなくらいの小さな顔。プルンプルンの唇と、ツン!と尖った鼻を持つその美顔はどことなくあびる優に似ており、スタイルも小柄ながらスラリと細身で、まるで鮎の稚魚のようにツルンっとした、とってもカワイイ女の子なのです。

08030524_convert_20110205114205.jpg

そんな彼女は熊のようにモケモケとしたジャンパーをベッドの下のカゴにソッと入れました。
その時、前に屈んだ彼女の小さな尻が僕の目の前に迫りました。僕はそんなショートパンツに包まれたプリプリのケツをジッと睨みながら、

果たして彼女はこのスリリングな格好でどうやって先生様に嬲られるのだろうか!

などと、すかさず思考を変態小説モードに切り替えた僕は、隣のベッドで寝息を立てては悪臭を放つ、足の臭せぇ亀無し坊主の事などすっかり消去してしまっていたのでした。

あびる優に似たキャバ嬢は、モケモケとしたジャンパーをカゴの中に押し込むと、「よいしょっ」と可愛く言いながらベッドの上にポツンと座りました。
彼女は僕の方に向かって座っているわけですから、僕のすぐ目の前には彼女の白桃のような膝ッ小僧が2つ並んでいます。

(股開け・・・そのまま股を開くんだ・・・・)

と、僕がバカな念力を必死にかけておりますと、ふいに彼女は、その大きな目玉を「ん?」と上に向け、ツン!美しく尖った大塚さんちのシリコン鼻を「クンクン」と動かしました。

僕はそんな彼女の様子を薄目で見つめながら、(災難だよねぇ~)っとはるな愛風に心で呟きます。
そして、心の中で

(・・・確かにニオイは強烈だけど、でも、ま、相手はまだ高校生だしさ、それに純情そうだし。だから、大人の僕達がさ、うん、優しく見守ってやろうよ、ね)

と、そんな言葉を、80年代の西田敏行風に彼女にテレパシーしていると、ふいに彼女のその大きな目が、ギロッ!と僕を見下ろしました。
そして、その目玉は、うつ伏せになっている僕の顔をジーっと見つめると、ゆっくりゆっくり僕の足下へと移動し、そしてなんと!僕の足下でピタッと止まるなり、

瞬間に「うわっ」と嫌な顔をしたのです!

・・・・・・・・・・・・・。

これは、まさに冤罪というヤツですね。はい。
そりゃあ確かにね、彼女が、この臭いの原因を、奥のベッドで寝ている金ナシ君か亀ナシ君か知らねぇけど、そんなジャニーズ系の坊やではなく、このいかにも胡散臭くて、漫画から飛び出して来たような悪党オーラがプンプンの僕だと思うのは当然でしょう。
いや、客観的に見て、僕だってキミの立場だったら、犯人は僕だと確信するよ。

でもね・・・
本当に僕じゃないんだ。
僕はこう見えてもね、病的な潔癖性でさぁ、少年院では「清潔にしてます賞」なんていうくだらねぇ賞まで頂いたことがあるくらい清潔好きなんだ。
(※少年院は国立ですから、そこで頂いた賞って事は国が認めたと言う事であり、これは一応名誉ある賞なのです。因みに、僕は小学生の時に「歯が綺麗」というなんだか意味不明な賞を保健室の先生から貰った事があります。それと、刑務所でペン習字5級の賞も頂きました。あと、テキ屋で売れ残ったフランクフルトを近所の養護施設にプレゼントしたら、なんか重々しい感謝状をくれました。この4つが僕が今まで四十年間生きてきて授与された賞状の数々です。一応、自慢です。ちょっと悲しいですが自慢です。もしかしたら賞状ではなく「症状」かもしれませんが、それでも自慢です。因みに中卒の僕は中学校の卒業証書をまだもらっていません・・・)
だから、そんな名誉ある清潔好きな僕がこんなオカメ納豆のような悪臭を、人様の前でプンプンと撒き散らすわけがないぢゃないか!

これは完全に冤罪だ、誤認逮捕だ、官憲横暴だ!
犯人はあいつだ!
あの素知らぬ顔して鼻ちょうちんぶらさげている包茎野郎だ。
あいつはまだチンポの洗い方も知らなけりゃ、マンコの舐め方も知らねぇようなウブなネンネだ。
だからあいつに違いねぇ。いや、あいつしかいねぇ!
嘘じゃねぇ!僕は清潔好きなんだ!
嘘だと思うなら、今ここで「消臭力」の歌を歌ってやるぞ!
そしたらキサマも、あのスーパーの主婦のマネしてデタラメなツイスト踊ってくれよ!

・・・などと、僕は必死にそう叫びますが、しかしあびる優は、おもむろに嫌悪感を剥き出しにし、あたかも台所のレンジの下に潜んでいるゴキブリを見るかのような目で僕をジッと見つめていたのでした。

彼女はベッドにうつ伏せになると、すかさず僕から顔を背け、反対側をプイッと向いてしまいました。
今頃彼女は、酸素補給する金魚のようにそのグロスでギラギラと輝く唇をパクパクさせては口呼吸している事でしょう。

もういいです。
諦めました。
どれだけ彼女にわかってもらおうとしても相手が僕じゃ無理なのです。
でも大丈夫です。
僕は、こんな仕打ちを受けるのはガキの頃から馴れていますから全然平気なんです。

そう僕がいじけていると、ふいに僕の枕元でピピピピピピ・・・・っという終わりを告げる電子音が響きました。
先生様がスタスタとやって来て、僕の腰のベルトをバリバリバリっと剥がしました。
先生様はまた僕の腰をグニグニと揉んで「フムフム・・・ほほう・・・なるほど」と言うと、「また痛かったら来て下さいね」とマスクの中で微笑みました。

僕は心の中で(もう結構です・・・)っといじけながら、この悪臭に満ち溢れた治療室を出ようとした瞬間、最後にもう一度治療室を振り向きました。

「先生、その人の足、臭すぎます・・・」

僕は、その言葉を言おうかどうしようか悩みましたが、しかし、そのベッドでスヤスヤと眠る天使のような少年の寝顔を見た僕は、結局その言葉を口に出せませんでした。

そうモジモジしている僕を、あびる優がジロッと睨みました。
帰ります。
帰りますよあびるさん。

接骨院を出ますと、辺りには既にチラホラとネオンが付き始めていました。
誤解された腹の虫はまだジクジクと燻っておりましたが、でも、亀ナシ君もあびる優ちゃんもとっても可愛い若者だったので、タバコ屋の横のピンサロの角を曲がった頃には2人をすっかり許していました。

そんな角で立ち止まった僕は、このまま帰ろうかどうしようか悩みましたが、しかし、あまりにも新宿の夜風が気持ち良かったので、結局いつものBARへと向かったのでした。



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