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昭和銭湯不思議少女3

2010/02/15 Mon 23:18

昭和の危ない銭湯。
そんな銭湯で、遂に禁断のウンコをやらかしてしまった地方公務員の倅、小森。

するのは簡単だが、しかしその処理が問題だ。番台のオババに見つかったらただでは済まない。
そんな小森のウンコという、とんでもないブツの処理に困っていた我々でしたが、遂にある作戦の決断を下しました。
その作戦を考えたのは、紅一点のプーでした。
プーは残酷な笑顔を静かに浮かべ、もの凄く嬉しそうにワクワクしながらその作戦を発表しました。

「そのウンコ、あいつのお尻の下に置いていこうよ」

あいつ。
そうプーが指差したのは、この銭湯でも名物酔っぱらいの、通称「飲み助」でした。

飲み助(たぶん50代)は、近所のアパートで一人暮らしをしている工員で、酒の飲み過ぎから奥さんと子供に出て行かれたという絵に描いたようなダメおやじ。
こいつは脱衣場で酒を飲んでは暴れ、浴場ではケロリンの桶を枕に大鼾をかくという大人物で、その度に番台のオババが「この飲み助がぁ!」と言いながら蹴飛ばす事から、彼には飲み助というアダナが付きました。

その日もやはり飲み助はケロリンの桶を枕に、ひんやりとしたタイルの上で大鼾をかいていています。

私達は、プーの残酷な作戦を想像し、あまりにも笑いが込み上げて来ては立っているのもままならず、床にひっくり返っては小便を洩らしながら笑い転げました。

その作戦を聞かされた小森のバカは、電気風呂の中でケラケラと笑い始めたばっかりに、その電気風呂の四方を囲む電気板におもわず触れてしまい一瞬気を失いかけましたが、しかしすぐに立ち直り、電気風呂を飛び出た小森のバカはケロリンの桶の中で少しその身を溶けかけている己のウンコを摘まみ上げると、声の出ない不気味な笑いで喉をヒクヒクさせながら膝をガクンとさせては倒れ込みヒーヒーと笑いこけております。
きっと作戦完了後の飲み助を想像してはおかしくて歩けなくなっているのでしょう。

やっとの思いで飲み助に辿り着いた小森のバカは、タイルの上で寝転んでいる飲み助の尻を半分だけ持ち上げると、その尻とタイルの間に「みたらしだんご」のような己の糞を、コロン、コロン、と2つ投げ入れました。

あまりのおかしさに高山君がドボン!と湯の中へ沈没致しました。
池本は必死で笑いを堪えようと自分のチンポを両手でつまみ、吉村君は床のタイルをパンパンと叩きながら小便をチロチロと洩らしておりました。

プーはというと・・・・
その大きな瞳をギラギラと輝かせ、なんとも恐ろしい目をさせながら不気味にニヤリと笑っているのでした。


さて、小森のウンコを無事に処理できた私達は、そのまま結果を見る事なく銭湯を一目散に逃げ出したわけですが、その後の状況はさぞかし凄惨であったに違いないと子供の私達にもわかりました。

目が覚めたら尻にウンコが付いていた飲み助・・・・
他の客から「てめぇ酔っぱらって糞なんかしやがって!」と責められ、挙げ句にはオババから強烈な張り手で引っ叩かれたに違いありません。

その後、その銭湯で飲み助を見る事は一度もありませんでした。




このように、こんなくだらない悪戯ばかりを夜な夜な繰り返していた私達でしたが、それからしばらくしてプーが男湯から消えました。

プーは女湯へと旅立って行ったのです。

それからはプーとの交流がプツリと途切れたのですが、再びプーと遊ぶようになったのは中学2年生になってからでした。

当時、どーしょーもない大馬鹿少年だった私達は、夜な夜なプーの家を溜まり場にしてはクールスと矢沢永吉に酔いしれていました。
プーのお父さん(苦悩の力石徹)は、プーが中学に入った頃に突然蒸発し、プーのお母さんは水商売をしてましたから朝まで帰って来ません。
ですからプーの家は夜になると両親がいませんので、まるで野グソに蝿が集るかのように近所の大馬鹿少年達がシンナーのニオイをプンプンさせながらゾロゾロと集まって来てました。

プーは中学を卒業すると「あの人は本当のお母さんじゃないから」という言葉を残し、鳥の巣のような金髪アフロのお兄さんとどこかに消えました。

それからプーがどんな人生を歩んでいるのか私は知りません。
噂もプッツリ聞こえて来ず、生きているのか死んでいるのかさえわかりません。
きっとプーの事ですから、今頃どこかのネオンの下で、下町根性丸出しで強く生きていると思いますが、そんな彼女も、時々はこの下町の銭湯でやらかしたバカな悪戯を思い出しては、ケラケラと大口開けて笑っているのではないかと、ふと思ったりします。


昭和の下町。
トルコのネオンと路上の乞食とアメ車のヤクザ。
そんな町にひっそりと佇む人間臭い古びた煙突。
汚れた人生を背負ったヤツラが、夜な夜な人生の垢を落としにこの銭湯にやって来ますが、しかし、一度こびりついた汚れはなかなか落ちないものです。

そんな悲しいヤツラの吹き溜まりだったオババの銭湯も、今では見違えるような大きな大きなとっても立派なマンションに変わってしまいました。

下町のガキ達も今はもう加齢臭漂う親父となりましたが、しかし、彼らの性格はあの銭湯で悪戯していた頃となんにも変わらず、小森のバカは相変わらず今でもバカです。

私もヤツラも、どうやらこの先、オババの銭湯のように立派なマンションにはなれそうにありません。

私達、下町の馬鹿ガキにとって「銭湯」ではなく、まさしく「戦闘」だった、そんな昭和の下町銭湯。

そんなくだらない銭湯の思い出を、また思い出したら書かせて頂きますので、どうか皆様、クスッと笑ってやって下さい。

長々と読んで頂きありがとうございました。


ちなみに、今の私にとって風呂場は「浴場」でなく「欲情」です。





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