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男と女の悲しい肉汁

2011/10/29 Sat 16:10

肉汁
基本的にデブの汗というのは肉汁であり、ヤセの汗はダシであると、いつも僕はそう思っています・・・。


その昔、僕がまだ少年だった頃、ある事情から東京を離れ、1年ほど北陸のとある町に潜伏していた事がございました。

そんな北陸の寂れた温泉街。
そこにポツンとあった薄汚いストリップ小屋で、少年の僕は「白黒ショー」というイカガワシイものを見たことがあります。

白黒ショーというのは、いわゆるステージの上で踊り子と男優がひたすらオマンコするという、実に野趣溢れるショーでして、関東の一部では「オセロ」や「おかめひょっとこ」などと呼んだりもしています。

その時の踊り子さん(推定年齢50)は、きっと著しくホルモンバランスが崩れていたのでしょう、異様なくらいにパンパンに太っておりまして、それこそ、グリム童話に出てくる悪い豚みたいな風体の女でした。
で、その相手の男(推定年齢40後半)はと言うと、これまた正反対の激ヤセ男でして、恐らくシャブでも喰ってるヒモなのでしょう、そのガリガリさは尋常じゃなく、まさにアウシュヴィッツでフラフラしてるユダヤ人のようでした。

そんな二人が繰り広げる白黒ショー。
ババーン!とミュージックが流れ、照明がゆっくりとフェードアウトし、安物のミラーボールがゆっくりと回り始めました。
しかし、客席に座っていた浴衣姿の客達は、その巨漢の豚ダンサーに落胆したのか、とたんに「チッ!」と舌打ちし、これみよがしに下駄の音をカラカラと鳴らしながら劇場を出て行ってしまいました。

気が付くと客席には僕1人です。
ただっ広い客席には、少年の僕がひとりポツンと座っているだけなのです。

ステージの上から、肉々しい女と骨々しい男が、不安そうな表情をしながらたった1人の客である僕をジッと見つめ、モゾモゾと下手糞なチークダンスを踊り始めました。
その時流れていた曲は、コレ系の田舎風俗では定番中の定番「メリージェーン」です。
海千山千のフィリピーナも絶叫するメリージェーンです。
2丁目のオカマも涙を流すメリージェーンです!
部長も課長も花びら三回転のメリージェーンなのです!

こんな気色の悪い男女を目の前にして、ひとりポツンと客席に佇みながらメリージェーンを聞かされる僕の気持ちも少しは考えろ!

っと、つのだ☆ひろに怒っても仕方ありませんが、しかし、つのだ☆ひろは奇怪です。
まるで公園の砂場に転がっている犬のウンコみたいな顔をしております。


(僕はこの顔↑を見ると100%の確立で噴き出します)

・・・話しが少々脱線してしまいましたが、このままムーディーなメリージェーンをBGMに話しを進めましょう。

さて、昭和チックなストリップ劇場にひとりポツンと取り残された僕は、完全に逃げ遅れました。
こうなったらこの薄気味悪い二人を最後まで見届けなければなりません。

ステージの二人はなにやらコソコソと小声で話しながらチークダンスを踊っております。
そのうち、骨々しい男が肉々しい女の体をスっとすり抜けました。
肉々しい女はピンで踊り始め、骨々しい男は『ヘソ』と呼ばれる丸いステージに煎餅布団を敷き始めました。

ちなみに、この『ヘソ』というのは、客席に突き出した丸いステージの事でありまして、その形が『デベソ』に似ている事から業界では『ヘソ』と呼ばれております。
尚、そのヘソの周りの席は『かぶりつき』と呼ばれています。

そんな『ヘソ』にせっせと布団を敷く骨男は、後部座席にポツンと座っていた僕をソッと見つめながら、「こっちこんかぁ~」と叫び、僕に向かっておいでおいでと手を振りました。
彼の言う、この「こっちこんかぁ~」の「こんかぁ~」は、標準語の発音ではなく、北陸弁の発音であり、語尾がカラスの鳴き声のように「かぁ~」と上がっているわけで、決して「こっちこんかぁ!」と怒っているわけではありません。

僕はそんな骨男に最前列を勧められ、もう死ぬ程 帰りたい!と思いましたが、しかしそこで帰れる程、僕は豪傑ではありません。
気の弱い僕は、骨男の言われるままに、素直に『かぶりつき』へと移動するしか方法は残されていませんでした。

かぶりつきの席は、エアコンが直撃でした。
きっと、ステージの踊り子が「暑い!」と怒るからでしょう、エアコンの風はヘソに向かってガンガンと吹き晒しております。
エアコンだけでなく、スピーカーも真正面でした。
巨大スピーカーから、つのだ☆ひろのビブラートが大音量で僕を包み込みます。

そんな、不快指数の非常に高いかぶりつきで、早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたい早く帰りたいとひたすら呟いておりますと、メリージェーンの曲に合わせながら淋しそうに布団を敷いていた骨男が、まるで四畳半のアパートに侘しく敷かれた布団のようなその上で、肉女に「できたよ」と合図したのでした。

やっと奇妙なピンダンスから解放された肉女は、猛烈な汗と牛のような荒い息を発しながら、実に気怠そうに「よっこらしょ」と布団の上に座りました。
その隣りに骨男がチョコンっと座りますと、いよいよ白黒ショーの始まりです。

骨男は肉女の丸太ん棒のような太ももを抱えると、何の前戯もなしに肉女の股間にコクン!っと腰を突き出しました(チークダンスの前に肉女はアソコにローションを塗り込んでいました)。
それが合図かのように、いきなり丸いステージがラブホの回転ベッドの如くゆっくりと回転し始めました。
骨男はコキコキと腰を振りまくります。
それに合わせて肉女がウシガエルのような野太い声を張り上げます。
メリージェーンが悲しく響き渡ります。

最初は頭でした。
最初は、僕の目の前には、肉女の少し薄くなった生え際と、骨男の顔がありました。
が、しかし、丸いステージは回っております。
かぶりつきのお客様には、360度パノラマで御楽しみ頂けるのです。

二人の下半身がジワリジワリと僕に向かって近付いて来ます。
まさに『ジョーズ』の曲が僕の頭の中で響いております。

見たくねぇ……

少年の僕は素直にそう思いました。
しかし、二人は手抜きする事無く、必死に性交しております。
たったひとりしかいない僕だけの為に、骨男はせっせと船を漕ぎ、肉女はひっくりかえったウミガメのようにモガイてくれているのです。

帰れません。今更、帰れるわけがありません。

そう我慢していると、いよいよ結合部分が僕の目の前に迫って来ました。
肉女の足の裏が見えました。
彼女の踵は岩のような角質で固まっていました。
続いて骨男の足の裏も見えて来ました。
彼は水虫なのでしょうか、足の裏の皮が所々パリパリと捲れ、まるで日焼けしたようになっております。

そんな哀愁漂う二人の足の裏が通過して行くと、遂に二人の結合部分が僕の目の前に現れました。
おもわず「うっ」と眉間にシワを寄せる少年。
そこはなんともグロテスクであり、まさにそこは、

ブラジル産のB級スプラッタームービー

の如く、もうグッチャグチャになっているのです。

そんな二人の結合部分からは、なにやらジトジトと不気味な汁が溢れておりました。
それはまるでカニがブクブクと泡を噴いているような、そんな感じで噴き出ております。

に、肉汁だ……

素直に感動しました。
いい歳こいたおっさんとおばさんが、たったひとりの客の為に、しかもまだガキのこんな僕の為に、貴重な肉汁を垂れ流してくれているのです!

その後、そんな結合部分は僕の前を三回通過し、そして敢えなく「うっ!」とフィニッシュを迎えました。
正直言って、ちっともおもしろくありませんでした。そして、全然コーフンしませんでした。
しかし天然の肉汁を見せつけられた僕は、ステージを立ち去る二人に拍手を送りたい心境でした。
おもいっきりスタンディングオベーションしたい気分でムンムンしていたのでした。

劇場を出ると、すっかり夜も更けておりました。
浴衣姿の酔客が下駄の音を鳴らし、焼肉とパチンコのネオンが薄ら淋しく点滅しておりました。
そんな硫黄臭漂う石畳の歩道を歩きながら、僕は骨男と肉女の事を考えていました。
あの人達は、あれでいくらのギャラを貰っているんだろう……
そう思うと、なにやら急にあの二人が可哀想で堪らなくなって来ました。

が、しかし、よくよく考えると、あんなモノを金を払ってまで見せられた僕の方がずっとずっと可哀想じゃないか!とふと思い、北陸の寂れた温泉街の石畳を歩きながらおもわずプッと噴き出してしまったのでした。


あれから二十数年が過ぎました。
先日、ある事情でその温泉街に行きました。
温泉街はすっかり変わっていました。
菱の代紋を堂々と掲げていた組事務所も廃墟となり、ネオンをチカチカとさせていたピンサロやトルコ風呂も跡形もなく消えていました。

随分とつまんねぇ町になっちまったもんだな……

そう思いながら散策していると、例のストリップ劇場の建物が見えて来ました。
そこは既に廃墟となっておりました。
玄関にはベニヤ板が打ち付けられ、「管理地」と書かれた赤サビだらけの看板が淋しそうに立っていました。

骨男と肉女。
不特定多数の酔客に性交を見せるのを生活の糧とする昭和枯れすすき。

僕は入口に張り巡らされた有刺鉄線を見つめながら、今,あの2人はどこでセックスしてるんだろうとふと思いました。
そして、誰に言うでもなく「頑張れよ」と呟いたのでした。

おわり




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