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新宿路地裏散歩

2011/11/05 Sat 15:55

新宿
散歩は路地裏に限る。
そんな路地裏は繁華街に限る。

しかし池袋は怖い。
昔、包丁を振り回すシャブ中のチンピラと本気で鬼ごっこした事がある。
今でもあいつが路地裏に潜んでそうな気がして怖い。

といって六本木は臭い。
白人のキツい香水と黒人の体臭が歩道に染み付いている。
路地裏なんて白と黒が混じり合った体臭がプンプンと漂っている。
あの町は臭すぎるからキッパリNO!と言ってやる。

だけど銀座は敷居が高い。
たとえ路地裏と言えど銀座は銀座。腐っても銀ブラだ。
おすまししなければならず、ちっとも散歩を楽しめない。

だからといって赤坂は敵が多すぎる。
あそこには以前敵対していた組の本部があり、足を洗った今でもやっぱり敵対しているから、路地裏なんかでヤツラとばったり出会したら大変なのだ。

だけど渋谷はムカつく。あの街はもうダメ。ガキばっか。
ちんどん屋な街に成り下がってしまった今の渋谷を見て、その昔渋谷を縄張りにしていた元安藤組の面々はさぞかし草葉の陰で泣いている事だろう。

って考えたら、やっぱり新宿がいい。
新宿といっても歌舞伎町周辺。
この界隈は僕の第二の故郷。
ここの路地裏は勃起するほど悩ましいのだ。

そんな新宿路地裏散歩の時間帯は、街のネオンが点き始めるちょっと手前の薄暗い夕暮れ時がいい。
ピンサロの兄ちゃんが道路に水を撒き、タクシーの運ちゃんが夕飯のラーメン屋から爪楊枝をシーシーしながら出てくる。
どこかのお店が開店したのか花屋の姉さんが花束を抱えて忙しそうに走り去って行く。
出勤前のキャバ嬢達が近所の美容院にモソモソと出掛け始め、キャッチのお兄ちゃん達がつるかめ食堂で慌ててカツカレーをかっこんでいる。
居酒屋の店内の灯りがポツポツと点き始め、回転寿しのネオンがチカチカと走り回り、ショーウィンドウに映る風林会館の喫茶店の店内が華やかに輝き始める。
そのうちくたびれたサラリーマン達がここにドッと押し寄せ、辺りは一気にザワザワザワザワと騒がしくなる。
その一歩手前の夕暮れ時。
そんな時分が、最高の新宿路地裏散歩タイムなのだ。

しかし路地裏は薄暗い。
路地裏はいつでもどんな時でもひっそりとしてて妙に湿っぽい。
表通りが華やかであればあるほど路地裏は貪よりと暗い。

カラス、コウモリ、ゴキブリ、ネズミにカマドウマ。
そんな「害虫」「害獣」「害鳥」は貪よりと暗くてジメッと湿っぽい場所を好む。
だからヤツラは夕暮れ時になると路地裏に集結する。
表通りを闊歩するバカなサラリーマン達を、ヤツラは路地裏でジッと息を潜めて見つめているのだ。

しかし、路地裏に潜んでいるのはヤツラだけではない。
もちろん、人間様も潜んでいる。
そう、お天道様に背中を向けて生きる、社会不適合者な「害人」だ。
そんなステキな破滅野郎を求め、今日も僕は「害虫」「害獣」「害鳥」が蠢く路地裏に突入するのだ。

繁華街の路地裏と言うのは、まさに『光と陰』だ。
いや、もっと現実的に言えば、『綺麗に着飾ったべっぴん女のパンツの中』とでも言おうか、いやいや更に僕的な表現ならば『韓流ボーイズの包茎を剥いた亀頭』と言った所だろうか。
新宿の路地裏というのは、世には公表できない、隠しておきたい部分がまざまざと曝け出されている陰だ。

そんな陰の細道で、いきなり僕を出迎えてくれたのは、おもわず「今は平成何年だ?」と指折り数えてしまいそうな超老朽化したアパートだった。
瓦屋根の隙間に雑草がボウボウと伸びるそんなアパートは、おもわず「戦前だろ!」とツッコミを入れたくなるような木造2階建て。
これが吉祥寺辺りの路地裏にポツンとあれば、それはそれで歴史を感じさせる実にワビサビな建物なのだろうが、しかしここは新宿。
限りなく大久保に近い歌舞伎町。
そんな街のこんな建物はワビサビどころかカビ錆だらけなのだ。

僕はそんなアパートを見上げながら、家賃はいくらなのか?どんなヤツが潜んでいるのか?過去にバラバラ殺人は何回あったのか?などと、アレコレと想像する。
この想像が、路地裏散歩の一番楽しいポイントなのだ。

すると、そんな僕の横を、立ち小便をしたばかりなのかズボンに小便をベタベタと引っ掛けた爺さんがヨタヨタと横切って行った。
そんな爺さんの残り香は、新宿公園のゴミ箱に捨てられているホームレスが使い古したボロ毛布のような、実に風流な香りだ。
そんな爺さんの痩せた背中を目で追っていると、アパートの中からナニジンかわからぬ異国語が聞こえ、同時にやたらとスパイシーな香りが漂い、たちまち爺さんの風流な残り香を掻き消してしまった。
2階のどこかの部屋から、男女が大喧嘩する声が響いている。
恐らく出勤前のホステスとヒモであろう、最初はホステスのほうが優勢で、別れる別れないといった中島みゆき系の言い争いが続いていたが、しかしそのうちヒモが逆転してドタンバタンと布袋寅泰系のロックに変わっていた。

そんなアパートに優しい微笑みを残して、僕は更に路地裏を奥へ進む。

新宿の路地裏と言うのは、いつもどこかで下水道の香りが漂っている。
家庭の排水口が小さな側溝に剥き出しになっており、そこから定期的に米粒や茶色い泡や時々グリンピースなんかがゴボゴボと排出されている。
それはまるで、明け方のゴールデン街の片隅で踞っている酔っぱらいのゴボゴボによく似ている。音も香りもそのゴボゴボと噴き出すスピードさえもそっくりだ。

そう考えると、新宿の路地裏というのは、排泄物が気にならないというとっても自由な場所だ。
もし、銀座の歩道のど真ん中なんかに人糞がボテッと落ちていたら、きっとおまわりさんの出動だろう。
『POLICE』と書かれたパトカーが銀座の路肩にズラリと並び、やたらと柔道の強そうな防弾チョッキを着たおまわりさんがパトカーの無線機に『えー、銀座四丁目交差点の三越前の歩道に何者かが異臭物を放置した模様、直ちに異臭物処理班の出動をお願いします』などと緊迫した表情で喋っている事だろう。
しかし、ここ、新宿の路地裏は違う。
大盛りのウンコだって、消化されてないホルモンが混じったゲロだって、中国人の死体だって、なにが路地に放置されていても誰も何も言わない。
それが放置している事の方が普通なのであって、逆にそれが全く無くなると、ここの住人は落ち着かなくなる。
それらの異臭物が路地からなくなってしまうと、今度は自分達が異臭物になってしまうからだ。
だから新宿の路地裏には異臭物は必要なのだ。
新宿路地裏の下水道の香りというのは、表参道の歩道に漂うおしゃれなカフェのワッフルの香りの如く、その街に息づいた文化の香りなのだ。

そんな下水道の香りを肌に感じながら、僕は松田優作の古いブルースなんかを口ずさみ更に奥へと進む。
バラックのような木造家屋を眺めながらぼんやり歩く。
恐らく、この地域の人々は古い家を建て替えるといった金も意欲も概念もないのだろう、そこに並ぶ建物はまさに廃墟だ。
そんな廃墟のようなビルの割れた窓ガラスから、なんとも霊気漂う埃臭い空気がスーッと僕の首筋を通り過ぎて行く。

この廃墟のビルの中にはきっと泉谷しげるが潜んでるはずだ。
(前回に引き続き泉谷くどい!)

そう思いながら、割れた窓ガラスに近寄る。
恐らく、ドライバーの裏底か何かでガキン!と割られ、その隙間から鍵をクルッと開けられたのであろう、その窓ガラスには明らかに侵入者の形跡があった。
そんな侵入者がまだそこに潜んでいたらどうしよう・・・
そんな恐怖を楽しみながら覗くと、中は倉庫になっていた。
そこには、2004年の歌舞伎町浄化作戦により撤去された物であろう、『セーラー服フェスティバル!』や、『秋のナース祭!』などと手書きで書かれた恥ずかしい看板がゴロゴロと転がっていた。

そんな感じでトボトボと路地裏を歩いていると、次第に路地の風景が変わってきた。
立ち並ぶビルからは次第に廃墟感が薄れ、生活臭が漂い始める。
そろそろ出口か・・・
そう思う僕の前方に大きな明治通が見えてきた。

路地裏の出口の大きなビル。そのビルにある1階の洋食屋の厨房の換気扇から、貪よりと生温かい風が路地に注ぎ込んで行く。
その濃厚なバターとケチャップの香りはまさにオムライスだった。
そんな香りに釣られ、無性にオムライスが食べたくなった僕は、明るい表通りの隅に佇みながら23才の同居女に電話を掛ける。
電話に出た23才の同居女に「オムライス食べに行こっか」と聞くと、23才の同居女は「いくいく」と阿呆のような声でそう言った。
「じゃあさ・・・・」と、僕は今いる場所を23才の同居女に伝えようとすると、ふと、なにかやたらと違和感のあるおっさんが前方からノソノソとやって来た。
そのおっさんは、イガイガに伸びた坊主頭に茶色いジャンパーを羽織り、口の回りに丸く円を書くようなヒゲをボソボソと生やしていた。
どこかアライグマを連想させるそのおっさんは、何やらブツブツと独り言を呟きながら、今僕が歩いてきた路地裏に入って行った。

僕はすかさず23才の同居女に「やっぱりやめよう」と告げる。
23才の同居女は「どうしてぇ」とラリッたような声で叫ぶ。

「今、泥棒を発見したんだ!オムライスどころじゃねぇアホ!」

僕は携帯をピッと切ると、そのまま泥棒らしき男の後をソッと尾行する。
ヤツは絶対に泥棒だ。
ヤツのあの風体と顔付は、まさに赤塚不二夫のマンガに出てくる泥棒なのだ。
そう路地裏想像してはワクワクしながら、僕は再び下水道の漂う路地裏に入って行く。
これだから、新宿路地裏散歩はやめられない。



路地裏と言えば・・・

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